2015年7月28日火曜日

7月24日(金)エネルギー最前線を見学しました。

7月24日(金) 快晴の中、エネルギー最前線を学ぶバスツアーが「さや環」、「西温ネット」共催で行われました。

来年4月より一般家庭からでも電力会社を自由に選ぶことができます。
でも市民にとって電力会社を自由に選べるってどうゆうことか分りにくいですよね。

バスの中では電力の自由化についての解説が吉岡理事からありました。

「高くても無農薬野菜を買いたい」といった気持と同じようにCO2排出係数の少ない電気を買いたいですよね。でも新電力各社はまだ電力単価を提示できません。東京電力の送電託送料金が提示されないため試算できないそうです。

送電託送料金という言葉が出てきました。
いくら電気を作っても各家庭に電気を送らなければ意味がありません。
電線は東京電力の持物なので電気を各家庭に送るには東京電力の電線を使います。

こんな話を聞きながらバスは東京都森ケ崎の水再生センターに到着しました。

ここでは都民の生活排水が集まり、これを微生物処理によって浄化した後に残された沈殿物から水分を取り除く工程でメタンガスが大量に出るのですか、このガスを使って3200kwの巨大な発電機を回すのだそうです。

教室で都の職員の方から解説を頂いた後工場見学をさせて頂きました。

ここに送られてきた下水は空気の泡に接触させ曝気処理されBODを下げた後残渣を回収し、水分を取り除く過程で天然ガスと同じ成分のメタンガスが大量発生する。メタンが外に出ない様に巨大なタンクの中で水分除去を行う。

発生したメタンは60%位のままガスエンジンに投入されエンジンが回る。
エンジンに直結した発電機を回すと同時に燃焼熱は水分除去のための熱エネルギーになる。

V18気筒のガスエンジンで手前の3200KW発電機を回しています。
ガスエンジンの大きさと騒音に圧倒されました。
殆ど24時間操業なので約7千世帯分の電気を作れるのだそうです。

この後BODが下がった清浄水は放流前のタンクに移され東京湾に放流される。



放流水の一部がサイホンで汲み取られ頭上の濃青色のパイプを通って水力発電に回される。
エネルギーを最後まで取りつくす姿勢に脱帽です。
埼玉県も良いことはどんどん真似して欲しいですね。

NaS電池は効率寿命ともに最高の電池で余剰電気や夜間電力を貯め需要に合わせて放電します。
NaS電池は硫黄とナトリウムからなる最も効率のよい高寿命の電池。


ビルのようなNaS電池


電池のユニット 重たい

この後アクアラインで東京湾を一跨ぎして東京ガスの千葉県袖ケ浦のLNG基地に向かいました。

東京湾を埋め立てて造った広大な土地は首都圏のエネルギー基地でまず私たちを塚本所長が出迎えて下さいました。


基地内の写真撮影は禁止ということで配布されたパンフレットを活用させていたくことにしました。

ここにはオーストラリア、インドネシア、ロシアなど世界5か国からまた2017年からはアメリカからシュールガスが加わり輸送船(右下)で運ばれてきます。

天然ガスは圧縮されて-160℃以下に冷却され1/600の容積になった液化天然ガスLNGとなって運ばれ、接岸されてから荷役作業が終わるまで半日かかるそうです。

LNGはそのまま巨大な魔法瓶のようなタンクに移され、使われる時を待つのだそうです。(写真上と左下)沢山のタンクの間をバスで廻りその広さと大きさに圧倒されました。

使われ方は
そのままLNGのタンクローリーに積み替えられてお客さんのもとに運ばれたり
海水を使った気化装置でガスになって首都圏のパイプラインを通ってお客さんのガス管につながれたり、構内のガス火力発電や隣接する東京電力のガス火力発電につながり形を変えて電気エネルギーになるのだそうです。

  天然ガスの主成分はメタンガスで炭素資源の中では最も熱効率が高くCO2の排出量が少ないクリーンなエネルギーです。

 電気換算した場合のCO2排出係数
  0.525kg-CO2/kwh (東京電力)
  0.375kg-CO2/kwh  (LNGコンバインド)

2015年7月15日水曜日

「川づくり・まちづくりを考える」が開催されました。

7月14日(火)10:00~12:00 入曽公民館で「川づくり・まちづくりを考える」環境講座が開催されました。

「さや環」理事の皆川健治さんから狭山市南部を流れる不老川についてお話しを聞きました。

不老川は東京都瑞穂町を源流に入間市、狭山市、川越市を経て荒川の支流である新河岸川に注ぐ全長18.5kmの川で、2~3万年前に流れていた古多摩川が流れを変えたあとに残った武蔵の台地の谷を流れている。

かつて高度成長期に沿川に住宅が建ち生活排水が流れ込み、日本一汚れた川となったことがあるが、川越の水処理場から出る水を還流させたり、市民団体が清掃活動をしたり、木や草花を植えたりして美しい清流を取り戻した。今では魚が住み、川沿いは市民の散歩路となっている。



近年温暖化影響からゲリラ豪雨もあり狭い川幅は幾度も洪水被害が出た。このため遊水地を作ったり拡幅工事が行われるようになった。

川沿いには平安時代から都の歌人たちが話題にした七曲り井戸(この辺りに散見される堀兼の井のひとつ)もあり拡幅工事を単なる土木工事として考えている節もあるようだが貴重な歴史遺産を活かしたまちづくりをしてゆくことが求めらている。そのためには市民がもっと声を上げ、住み良いまちづくりを進めることが必要である。
 
参加者からの意見
「清流を維持するために川越からの還流水は年間7,000万円弱の電気代がかかると云われている。もっと別の方法もあったのではないか。」


ポンプアップされた噴流水は基地南端付近に吐出される